このゲームは吾輩が小学校6年生のときに発明した
対戦型知的ボードゲームである。
非常に面白いので作ったときから
いずれは商品化したいとずっと思っている。
軍人将棋をイメージしてもらえればいい。
軍人将棋は面白いゲームではあるが大きな欠点がある。
それは「審判が要る」ことだ。
審判無しで行うと、相手の「どの駒と戦ったのか」が判ってしまい、
面白味が激減する。
その欠点を改善したのが写真の
「勝敗判定シーソー」だ。
強い駒は重くなっている。これにより、審判無しでも楽しくプレー出来る。
赤艦隊駒・青艦隊駒 各21個
勝敗判定シーソー 1個
ゲーム盤 1枚 錘1個
駒の種類と数
艦艇駒
「1航空母艦」1、「2戦艦」2、「3巡洋艦」3、「4駆逐艦」4、「5掃海艇」3、「6潜水艦」1、「7
揚陸艦」1
非艦艇駒
「●機雷」5、「🏁軍港」1
駒の動かし方
艦艇駒は動かすことが出来る
1~6の駒は前後左右に1マスだけ動かせる。斜めには動かせない。
7は前後左右にいくらでも動かせる。正し、他の駒を飛び越えることはできない。(将棋の飛車と同じ)
非艦艇駒は動かすことが出来ない
駒の勝敗
艦艇駒の強さは
強 1>2>3>4>5>6>7 弱
基本的に数字の小さい方が強い
例外として
6が1を攻撃したときのみ6の勝ち
よく間違われるが
1が6を攻撃したときは普通に1の勝ち
●機雷駒は1、2、3、4、6、7の艦艇駒に攻撃を受けたら相打ちとなる
例外として5から攻撃を受けたら負ける
🏁軍港駒が敵の艦艇駒に攻撃されたら試合終了となる
駒の勝敗判定
自分の艦艇駒を動かし、敵の駒が居るマスに入ると勝負が発生する。駒を動かしたプレイヤー(以下、攻撃側)は「攻撃」または「勝負」と発声し、「自分の駒の底を相手の駒の天井に付ける。(左写真)
勝負が発生すると、攻撃されたプレイヤー(以下、守備側)は、自分の駒の種類によって以下の行為を行う。
①守備側が艦艇駒の場合→勝敗判定シーソーに乗せる。
⑴重い方の勝ちとなる。負けた方のプレイヤーは自分の駒を盤上から取り除く。このとき自分の駒が何であったかを明かす必要はない。
⑵釣り合った場合は相打ちとなり両プレイヤーはそれぞれ自分の駒を盤上から取り除く。
⑶攻撃側の駒が「6潜水艦」のときのみ錘を使用できる。写真のように6の駒上に錘を乗せる。
錘を乗せた6は「1航空母艦」とだけ釣り合うようになっているので、6が1を攻撃したことが判明し、6の勝ちとなる。
※1が6を攻撃した場合は1が重いので普通に1の勝ちとなる。
6に錘の載せた場合のみ1と釣り合う→
②守備側が機雷駒の場合→「爆発」、「ボワ~ン」などと発声しながら駒を表向きに倒し、自分の駒が機雷であることを明らかにする。
⑴攻撃した駒が「5掃海艇」の場合、攻撃側は自分の駒を相手に見せて5であること明らかにする。守備側は「●機雷」を盤上から取り除く。
⑵攻撃した駒が5以外の場合、相打ちとなり両プレイヤーはそれぞれ自分の駒を盤上から取り除く。このとき攻撃側の駒が何であったかを明かす必要は無い。
③守備側が軍港駒の場合→攻撃側の勝利で試合終了。
🏁旗が画いてある駒が敵の艦艇駒に攻撃を受けると、軍港が占領されたと見做し、攻撃側の勝利―守備側の敗北で試合終了となる。
ゲームの勝利条件は他にもう1つあり、後述する。
①先手後手を決める
じゃんけん等で先手後手を決める。
②駒を配置する
赤艦隊・青艦隊(以下、赤・青)各プレーヤーは、左写真のように手前3列に自分の駒を相手に見えないように並べる。並べ方は自由であり、勝負の半分はこれで決まるので、入念に作戦を立てて並べていく。
②対局開始
将棋のように先手から「代かわりばんこに一手ずつ」指していく。
戦闘が発声すればルールに従い勝敗を判定し、敵艦隊の殲滅または敵軍港の占領を目指す。
勝利条件
次の1、2いずれかの条件を満たしたプレーヤーが勝利者となる。
1敵艦隊殲滅・・・敵の艦艇駒を全て負かす。
2軍 港 占 領・・・敵の軍港駒を攻撃する。
駒を配置する。
勝負の半分はこれ出来まる。
じゃんけんで後手に決まった。このゲームは先後による有利不利は殆どない。
さあ対局開始だ。
吾輩の作戦は、前列中央に⑥潜水艦、その両側に2隻の②戦艦、その外側に2隻の③巡洋艦、両端が●機雷と左右対称の布陣。
これは敵①空母発見のときに左右どちら側からでも⑥潜水艦が出撃出来る便利さと、軍港🏁の近くに空母①を配置し、鉄壁の守りを
敷いている。
中列には4隻の④駆逐艦を配置、●機雷が⑤掃海艇に突破されたらすぐに排除に向かうことが出来る。
後列に3つの●機雷と🏁軍港を配置し、🏁軍港の所在をカムフラージュしている。
⑦揚陸艦は最後尾に配置し、敵軍港占領に備えている。
序盤は両者相手の動きを牽制し間合い地獄に陥り、中々駒がぶつからない。艦艇駒と非艦艇駒の区別がつかないようにするため、双方動かす駒は限られている。
我艦隊の⑤掃海艇が1Cの敵●機雷を攻撃して戦闘開始。直後、敵艦に⑤掃海艇は撃沈された。
その次の戦闘で②戦艦が同士が相打ち。その後、5Eで②戦艦が、2Dで③巡洋艦がそれぞれ1隻ずつ敵艦を撃沈。優勢にゲームは進む。しかし、ここで痛恨のミスをしてしまった。一度も動いていない2Cに居た駒を動いたと勘違いし、①空母で攻撃したら何と●機雷だった。序盤で虎の子の①航空母艦を失ってしまった。
①空母を失ったことを只管隠しゲームを進める。敵が5Fでこちらの①空母と思い込んで敵⑥潜水艦が、②戦艦を攻撃してきた。敵はこちらの①空母が残っていると思い込んでいるので、それを利用し⑥潜水艦を①空母と思わせる作戦に出る。終盤、⑥潜水艦が5Cまで攻めあがる。相手は①空母と思っているので④駆逐艦で攻撃して来ないし、①空母同士の相打ちは望まないだろう。ここは相打ちでもいいから敵の戦艦②と巡洋艦③を沈めれば勝利できる。
②戦艦同士③巡洋艦同士の相打ちで良かったのだが、敵の③巡洋艦に上手く誘い出され、②戦艦で撃沈したのものの3Fまで上がってしまった。そこで敵②戦艦に3Jまで入られ、仕方なく3Eまで②戦艦を進める。I・J 段の駒は動かしていなかったので、最後はロシアンルーレット状態になり、敵は4Jの●機雷を攻撃し、ここで投了した。
序盤に①空母を失い苦しみながら薄氷の勝利だった。
このように軍艦将棋は、記憶力・想像力・洞察力が必要とされる知的ボードゲームである。
青3F②、赤3J②、青3E②、赤4F②まで。
編集後記
吾輩は子供のころから、囲碁・将棋・麻雀・花札・ポーカーなどの知的ゲームが好きだった。小学6年生のとき、クラスメイトの家に遊びに行ったときに「戦略大作戦(右写真)」というゲームをした。基本的ルールは軍人将棋と同じだ。この日初めて軍人将棋的ゲームをしたのだが、その面白さにハマってしまった。何日かよく遊んだがプレイをするうちに、駒が多い割に空白地が少ないことによる機動性の無さと、審判が必要なので3人集まらないと遊べないことなどが原因で興味が薄れていった。
ある日、トミーのポケットメイトシリーズの「バランス相撲(左写真)」をした。赤青のプレーヤーが自分の横綱・大関・関脇・小結・前頭1・前頭2・前頭3の7つの駒をシーソーに載せ、何勝何敗かを競うという単純なゲームだ。強い駒ほど重く作ってあり、出す順番だけで勝負が決まる面白くも何ともないゲームだが、これを見たとき吾輩はピン!と来た。
このゲームを3セット買って21個の駒で戦略大作戦のようなゲームを作ろう。
勝敗にはシーソーを使えば審判が要らない。これはイケる。
間もなくゲームは完成した。ゲーム名は「戦略大海戦」。テレビゲームの無かった時代、吾輩の「戦略大海戦」は大人気となり、クラスメイトは我家に屯した。
あれから早や43年。家庭ゲーム機の誕生は子供たちの遊びを変えた。インターネットは国民生活を劇的に変えた。昔は男の子なら将棋ぐらいは誰でも指せたものだが休み時間に将棋を指す子は見かけない。麻雀に明け暮れている大学生も減ってしまった。
テレビゲームやスマホのネットゲームを否定する気は全くないが、(吾輩も楽しんでいる)知的ボードゲームが衰退していくことに、寂しさを覚える吾輩である。
写真は、ゲーム盤を折り畳んだ状態である。そこには6年生の吾輩が一生懸命書いたこのゲームのルールが載っている。
吾輩の大切な思い出のひとつである。