九州地方最高峰 秘境「宮之浦岳」

年間降水量8000㎜ 滅多に晴れることは無い。

往復12時間程掛かるであろう。

 

人工股関節置換術より3年4ヶ月         杖無し歩行許可より3年と12日         昨年、摩耶六甲に14回登り、富士山を制覇した。 更に、今年16回登り、万全の準備を整え     秘境「宮之浦岳」に挑む。

この登山を最後に山から離れようと思う。


平成31年4月13日(土) 

 

屋久島行きを9月14・15・16日に決めた。

登山日15日は、平成28年9月3日に山口先生  (※「病気と健康」参照)に杖無し歩行の許可をもらってから、3年と12日目になる。

 

屋久島の全体図を見ると淀川登山口から宮之浦岳は縮尺を考慮しても割に近い。標高も、淀川登山口1360mから宮之浦岳1936mだから576mしか登らない。こりゃ楽勝では?

 

と思いきや、どのパンフレットにも「往路6時間、復路5時間半、上級者コース」と書いてある。

どんな所なのだろうか?


令和元年5月18日(土) 屋久島豪雨

5月18・19日 屋久島を記録的豪雨が襲った。                            以下NHKの記事                                          『「屋久島 孤立の登山者 全員下山」(2019/05/19 18:08 NHK)
18日、記録的な大雨が降った鹿児島県屋久島町では、下山できずに一夜を明かした300人を超える登山者などが次々と下山し、増水によって道路が通れなくなっていたことから予定より遅れましたが、町によりますと、全員が下山したということです。屋久島町によりますと、18日の大雨で県道で土砂崩れが発生し、登山者や送迎のバスの運転手など314人が下山できずに孤立しました。山中で一夜を明かした人たちは、バスが通れる地点まで歩いて移動しました。そして、バスに乗り込み、次々と屋久島警察署の施設に到着しました。
屋久島町によりますと、午後5時半ごろ全員が下山したのを確認したということです。下山した人たちは健康状態などを確認してしていますが、町によりますと、3人が低体温症のような症状を示して病院で手当を受けているということです。』


 

令和元年6月20日(木)

全ルート復旧

 

地元役場より宮之浦岳や縄文杉をはじめとする全ての観光ルートが復旧したとの発表があった。

 

自衛隊まで出動して救助・復旧にあたり、ひと月で完全復旧とは恐れ入る。多くの人の力に支えられているのだと実感する。

 

これで後顧の憂いは無くなった。

あと、3ヶ月。しっかり鍛えて頂上を

極めるのみ。

 


令和元年9月14日 出発

日本エアコミューター2453便11:20屋久島行き  幸を嵐がお見送り    我々の機は・・・プロペラ機!    搭乗する

     屋久島空港着              現地はやはり雨         年間8000㎜降るところやからね

 レンタカーを借り、南へ向かう。「山岳太郎」なる登山ショップで杖を各1本レンタル。ここで昼食を摂りたいがどこかいいところ有るかと尋ねると、安房(アンボと読むらしい)の街なら店があるが2時には一旦全部閉まると言われた。時刻は2時10分。店での食事を諦め、安房のスーパーでたこ焼きを買って食った。

 食後、明日の下見のため淀川登山口へ。安房から1時間弱。途中雨が強くなってきて、登山口に到着した頃には本降りになっていた。これが屋久島の雨か!台風の雨より凄い。真にスコールだ。宮之浦岳は雨を嫌がっていては登れない。むしろ、雨を楽しむくらいでないと登れないのだ。 そう、雨を楽しむのだ、、、

 いよいよ明日、持てる力をすべて出し切る。

 野生の鹿発見! 地元民の信仰が厚いモッチョム岳   旅館の玄関前から山を一枚     旅館の部屋から海を望む

刺身3種盛り 夏野菜 飛魚のモダン揚げ 黒毛和牛 鰆 よもぎ 薩摩の黒豚低温焼き 大分産ひとめぼれ なめこ味噌汁

                 美味しい料理を食し、さあ明日は宮之浦岳へ!


令和元年9月15日(日) アタック

出発

 3:30起き 4:15車に乗り出発      5:30淀川登山口到着      入山料を支払い排便を済ませ5:52登山開始

往路

 淀川小屋到着

花之江河の湿地帯 もののけ姫の世界

崖を超えていく

栗生岳到着 もう少し

頂上

11:02登頂成功!

往路5時間10分。遂に九州地方最高峰の頂を制す。

 

頂上に 建てられた

「宮之浦岳 標高一九六三米 環境省 鹿児島県」

 の表札の前で幸を写真を撮る。

 

達成感で満たされた最高の一枚である。

 

日没までに下山しなければならない。

満足に浸る間もそこそこに、

21分間滞在し、11:23下山を開始した。

生憎の天気で頂上からの視界は良くない。晴れていれば360°パノラマだったのだが残念だ。でも達成感は変わらない。

頂上に到着したとき7~8名の人が居た。滞在中に20名ほどになった。ひと足先に着いたおじさんグループが、湯を沸かしていたので茶を飲むのかと思っていたら袋のインスタントラーメンを取り出し鍋で炊いて上手そうに食っていた。どうやら同志社大学山岳部のOBのようだ。あとから次々と登山者がやってきて頂上は20名程になった。近くの青年に吾輩と幸の写真を撮ってもらった。

復路

  上ってきた道を帰って行く        子の毛繕いをする母猿          子鹿のバンビ発見!

  湿原に大きな牡鹿が悠々と構える             狼?との対決            屋久島原人!?

  唯一の復路での崖登り    こんな所を登ってきたのかと思いながら下る。滑るので下りの方が歩きにくい。

16:53淀川登山口に到着。復路5時間30分。足下が滑りやすくゆっくりしか下りられなかったので往路より時間が掛かった。振り返ると滅多に晴れない屋久島の山々が綺麗に見える。山間からの太陽光線が美しい。日没直前にホテルに帰着。「日の入りの一枚」良い写真が撮れた。

編集後記

翌日、綺麗に晴れ上がった。屋久島では珍しいくらいだと言う。昨年富士山に登り、今年は屋久島宮之浦岳を制覇。どちらも愛娘が一緒に登ってくれて、楽しい日々であった。登山を趣味として続けるという選択肢もあったが、、、

松葉杖生活15年、3年前右足に人工関節を入れ、必死のリハビリを経てここまで復活した。登山にはここで一度区切りを付けて辞めようと思う。

 

山は逃げない。また復活する日が来るかも知れない。

令和元年9月15

明後日には55回目の誕生日を迎える。